エナメル質が薄くなるとどうなる?
目次
- 1. エナメル質の役割
- 2. エナメル質が薄いと起こる悪影響
2-1. むし歯になりやすくなる
2-2. 知覚過敏になる
2-3. 見た目が悪くなる - 3. エナメル質を増やす(厚く)するには?
3-1. 定期的にフッ素塗布を行う
3-2. 食べ物で歯に良いとされる栄養を摂取する
3-3. 初期段階のむし歯で早めに治す - 4. まとめ
エナメル質が薄くなるとどうなる?
歯のエナメル質とは、歯の表面を覆っている堅い組織です。そんな堅いエナメル質ですが酸や摩擦などの浸食には弱いとされています。
エナメル質を失うと歯の内部のむし歯や知覚過敏になりやすくなるため、エナメル質を保つは非常に重要です。この記事では、エナメル質の役割や、失う原因とその対処法について解説します。
1. エナメル質の役割
エナメル質は、歯の表面をバリアとして機能しこれにより、細菌やウイルス、食品中の有害な物質など歯の内部に侵入するのを防ぎます。侵入を防ぐことで、歯の中の神経や血管に害を及ぼす虫歯や感染症を予防します。
2. エナメル質が薄いと起こる悪影響
2-1. むし歯になりやすくなる
エナメル質を失うと、むし歯を発症するリスクが極端に高くなります。
一般的に、虫歯は歯の表面から進行するものですが、十分にエナメル質が残っている状態であれば、簡単には内部まで虫歯菌が入り込みません。
しかし、すでに多くのエナメル質を失っている場合、短期間で歯の内部まで虫歯菌が侵入するため、むし歯のリスクは確実に上昇します。
2-2. 知覚過敏になる
知覚過敏は、歯の根元の部分の象牙質が露出しておこります。歯周病や加齢が影響すると言われています。
歯は、健常な状態であれば象牙質はエナメル質と歯肉におおわれていて、冷たさなどの刺激から守られています。
しかし、歯周病が進行したり、加齢や不適切なブラッシング、不正なかみ合わせなどで歯茎が下がってしまうと、歯の根元の部分の象牙質が露出していまいます。
象牙質には歯髄(神経)につながる無数の穴(象牙細管:ぞうげさいかん)があいているため、象牙質の穴を通して、受けた刺激が神経に伝わり痛みを感じてしまいます。
この痛みは一過性なので、刺激がなくなると痛みもなくなります。
2-3. 見た目が悪くなる
エナメル質は透明もしくは白色ですが、象牙質は黄色っぽいくすんだ色をしています。
つまり、エナメル質の量が少なければ少ないほど、歯が黄色く見えてしまうことがあります。
3. エナメル質を増やす(厚く)するには?
3-1. 定期的にフッ素塗布を行う
フッ素塗布には以下の効果が期待できます。
・エナメル質の修復を促進
酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補うこと(再石灰化)を促進します。
・歯の質を強化
歯の表面を覆うエナメル質を、酸に溶けにくい性質に変え、ムシ歯への抵抗力を高めます。
・菌の働きを弱める
ムシ歯を引き起こす細菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。
3-2. 食べ物で歯に良いとされる栄養を摂取する
・タンパク質:歯の基礎の材料
牛乳、魚、卵など
・カルシウム、リン:石灰化のための材料
肉、魚、乳製品、豆類など
・ビタミンA、C:歯のエナメル質の土台を強くする材料
乳製品、レバー、野菜全般
3-3. 初期段階のむし歯で早めに治す
目に見える大きさのむし歯になってしまったエナメル質は、残念ながらもう元の状態には戻りません。初期むし歯(むし歯の一歩手前の状態)の段階で修復させることが大切です。
4. まとめ
・エナメル質はむし歯や知覚過敏から歯を守る役割がある
・エナメル質が薄いと以下の悪影響がある
1)むし歯になりやすくなる
2)知覚過敏になりやすくなる
3)見た目が悪くなる
・エナメル質を強く(厚く)することは可能
・むし歯が進行するとエナメル質は元に戻らない
いかがでしたか?
本日は歯のエナメル質について投稿させていただきました。特にお伝えしたいことはエナメル質は大切ということとむし歯によって失ったエナメル質は2度と元には戻らないということです。
最後に歯医者に行かれたのはいつですか?
初期むし歯はご自身では気付かない場合がほとんどです。
永らく歯医者に通院されていない方は近いうちにお近くの歯医者へ通院されることをお薦めします!
監修医
古谷 颯太
デンタルテラス堀江 院長
経歴