〜ろう孔について〜
こんにちは。勤務医の岡田です。
当院は理事長が保存科(根幹治療)の専門医であることから、根幹治療の相談で来られる患者さんが多
く、そのお悩みの多くがむし歯に継発した歯の根の病気(根尖性歯周炎)です。
症状として、口内炎に似たニキビのようなものが口腔内に現れ、これは「ろう孔」と呼ばれます。
「フィステル」や「サイナストラクト」とも呼ばれ、口内炎と間違えられやすいですが、
ろう孔は痛みを伴わないことが多く、鏡を見ないと気付かないこともあります。
実際のお問い合わせも多いため、今回はこの「ろう孔」について、お話していこうと思います。
みなさんはろう孔が2種類あるというのをご存知ですか?
実はろう孔には『外歯瘻(がいしろう)』と『内歯瘻(ないしろう)』があります。
虫歯が進行し、歯の神経まで虫歯菌が感染した場合歯の根の先に膿が溜まりその膿が外に出ることがあります。
大半のケースは内歯瘻であり、
溜まった膿が出口を探して骨を溶かし歯茎にプクッとしたデキモノができてしまう状態がこれに当たります。
これは根の治療をする事で治ることが多いです。
一方でまれに外歯瘻と呼ばれるケースがあります。
これは根の先に溜まった膿が歯ぐきから出てくるのではなく,頬の方から穴を開けて出てくるというものです!
信じられませんよね(笑)
学生時代に勉強し,教科書で知った時は信じられませんでしたが、大学病院で実習をしていた時に実際に外歯瘻の患者さんを診る機会がありました。
生理食塩水による洗浄を行っていたのですが,口の中から入れた生食が頬から出ているのを見た衝撃は
忘れられません。
外歯瘻の治療も第一に歯の根の治療を行いますが,それだけではかなり治りにくいとされています。
外歯瘻は滅多にないケースですが,虫歯の放置のよって頬に穴があく事もある!というのを知って歯磨きをきちんとしよう!と思う方が増えると嬉しいです。